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恐怖の体験

この日(2004年2月23日)の写真はありません。
撮影どころではありませんでした。

非常に強い低気圧が接近して未明から大荒れの天気です。
横殴りの雪の中、とりあえず置戸近くの踏切のそばに車を止めて列車を待ちます。しかし定時を過ぎてもいっこうにやってきません。ラジオのニュースでは道内の各交通機関が大幅に乱れているとか、千歳空港の除雪が間に合わず飛行機が欠航しているとか、小中学校が臨時休校していると伝えています。夕方釧路空港に戻って帰宅する予定ですが、かなりやばい状況です。ここにいたのではたどり着けない恐れが出てきました。ともかくここを離れて南下することにします。
釧北峠はそれほど標高の高い峠ではありません。それでも国道242号は除雪が間に合わず雪は積もり放題。ハンドルを取られてフラフラしながらなんとか陸別にたどり着きます。その後足寄まではそこそこ走れましたが、そこから先が恐怖の世界。
車も吹き飛ばされそうな猛烈な西風で地吹雪が起こり、フロントガラスの先はどこを見ても真っ白で全く視界が効きません。まさにホワイトアウト状態です。これでは目を閉じて車を運転しているのとほとんど変わりません。かと言って路肩に止まっていると後ろから追突されるかもしれません。おまけに道路にはあちこと吹きだまりができて、不用意に突っ込むとコントロールを失います。
自転車のような速度でノロノロと本別を過ぎ、ようやく池田までたどり着きました。移動中何件か追突事故の現場に遭遇したり、トラックが路肩に転落しているのを目撃しました。
池田駅前の駐車場に車を止めてパソコンから気象情報をチェックすると、前線が通過するのはもうすぐのような感じです。2時間くらいすると少し視界が開けてきたので再び釧路に向けて走り出します。音別を抜ける頃にはうそのように雪は止み海が見え始めました。風だけは相変わらず強く吹いています。どうやら一番ひどいピークの時に当たってしまったようです。
ということで半日以上かけて釧路空港には16時ころに到着。羽田からの飛行機も無事着陸して再び羽田に向かう飛行機に搭乗し離陸するとようやく安堵のため息をつきました。この日は一枚も写真は撮れませんでしたが、事故がなくて何よりだったと思います。
冬の北海道の過酷な一面を体験した1日でした。

コメント (2)

ふうらいぼ:

 いつぞや留辺蕊から遠軽へDDバルブするべと車を走らせていたらとんでもない吹雪に遭遇した事が私もあります。
 少々の悪天候じゃ気合と根性で走るのですが、流石にあの時の桁外れの風と地吹雪はビビリました(汗)

 真冬の北海道は生きて帰ってさえこれれば武勇伝になる体験を時々しますね。
 後から話をすれば笑い話ですが、その時点では喉がカラカラになるような話なんですよねぇ(笑)

ふうらいぼ様、コメントありがとうございます。

いやぁあの地吹雪は生きた心地がしませんです。きっと家の中にいても怖いんじゃないでしょうか。ましてや屋外にいたら半端じゃないですよね。

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2009年02月21日 00:14に投稿された記事のページです。

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